仕様
- 電源: 9V (DCジャック)
- クロストーク: ≦ -106dB (20kHz以下)、-98~-20dB可変
- 入力: バランス (6.3mm TRS×2)
クロストーク低減のメカニズム
負荷から戻る電流 (iR+iL) が共通インピーダンスZcmで電圧に変換され、もう一方のチャンネルに混入することでクロストークが発生。概算式:
Crosstalk [dB] ≈ 20 log10(Zcm / Zload)
すなわちZcmが極小であればクロストークも極小。
- 基本方針: Zcmをフィードバックの力で1/Aにする。
- 出力コネクタ構成: 4極ジャックのスリーブを2接点化し、電流経路のS端子とクロストーク検出用のR2端子を分離。
- 基準電位の固定: S端子電圧を制御し、回路全体の基準となるR2端子を (VDD-VSS)/2 に固定。CMRR/PSRR由来のクロストークや歪みを低減。
- 接触抵抗対策: R2端子側にバッファを設け、R2端子接触抵抗の影響を低減。
- 前段クロストーク低減: 信号増幅を反転増幅化し、信号GNDへ流れる電流を減らして出力段以前のクロストークを最小化。
- 未挿入時の安定化: Rfにより、ヘッドホン未挿入時でも信号GNDを固定。
設計上の工夫
- 差動→シングル変換: 初段差動回路の基準電圧入力を反転信号で駆動。HOT/COLDの入力インピーダンスを同じにする。
- 電子ボリュームの直列接続: 音量によらず一定のクロストーク割合を維持。
- 基板上のガードリング: 初段や混合段での意図しないクロストークを防ぐ。(効果不明)
測定結果
両ch 51Ω負荷・出力 1Vrmsの正弦波で測定。全可聴帯域で -95dB以下、1kHzでは -108dB以下を達成。ただしDMMの保証確度以下なので参考値。